芸術起業論

芸術起業論

芸術起業論

アートの国際舞台において、オタク文化を上手く日本のアートとして表現し、成功を収めている村上隆氏。

日本では、芸術は誰にでも理解できるものではなく、自己満足に終わっていることが多いが、本来は一定の評価軸でしっかり評価され、お金になるものでなければ発展しないし、特に国際舞台では評価の対象にもならないとする。

日本のアートが、本人だけが理解できるものでもよしとされたり、そのような人々が大学でアートを教えている現状は、他の学問においても当てはまることだと感じた。私は文系の専攻であったが、確かに、大学教授のほとんどは、マニアックな自分の興味に浸り、誰も読まない論文を定期的に出して仕事をしたことになっている人たちがほとんどであるように思える。

まずは国際的な評価基準に耐えうるよう、アートにおいても学問においても、しっかりした歴史認識、作品製作の手順を押さえられる教育がなされる環境が日本でも広まることがまずスタート地点なのだと思った。

彼は何もない状態からアメリカに渡り、悪戦苦闘の中でそれを学び、自分の中に落とし込んでいった。

ところで、彼の作品製作に望むストイックな取り組み方、展示会に向けたコンセプトメイキング、根回し、段取りといい、トップを走る人間の戦い方はここまでいくのだな、と非常に感心しました。